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ワキの汗でお悩みの方へ(保険適用):WEB予約⇒「産婦人科 (妊娠9週6日まで含む)」
2021年03月19日
ワキの汗でお悩みの方へ(保険適用)
重度の原発性腋窩多汗症に対するボツリヌス療法についてご案内いたします。
A. 多汗症とは
●汗はヒトの体の体温調節に重要な役割を果たしますが、体温調節に必要な量を超える量の汗が出て、日常生活に支障をきたす状態を多汗症といいます。
●手のひらや足の裏、ワキの下、額など、汗腺が密集している部位に症状が多くあらわれます。
●思春期や中年世代までの社会的活動が盛んな年代に多くみられ、男女の比率はほぼ同等です。遺伝が影響することもわかってきています。
●明らかな原因が存在しない「原発性多汗症」と、何らかの病気や使用している薬が原因の「続発性多汗症」があります。
B. 腋窩多汗症とは
●特別な原因がなく、日常生活に支障をきたすほどのワキの多汗が生じる病気を「原発性腋窩多汗症」といいます。
●ワキの多汗は、社会的活動の盛んな若年・中年世代に多くみられる悩みです。日本で実施された調査(2009年)において、原発性腋窩多汗症の有病率は5.8%と推定されています。
●ワキの多汗は、気候や運動による温熱刺激と、緊張やストレスなどによる精神的な刺激の両方が原因となって生じます。
●重度の腋窩多汗症は、日常生活に支障をきたす場合があります。
C. 原発性腋窩多汗症の診断基準
●原発性腋窩多汗症は下記の基準で診断されます。(ほかの病気や薬による「続発性多汗症」ではないことを確かめる必要があります)
D. 重症度判定
以下の3または4に当てはまると重度と判定されます。
E. 原発性腋窩多汗症の治療方法
F. ボツリヌス療法とは
●ボツリヌス療法とは、ボツリヌス菌がつくる天然のたんぱく質から精製された薬をワキの下に直接注射する治療法です。
●この薬が交感神経から汗腺への刺激の伝達をブロックし、発汗を抑えます。
●使用するのはボツリヌス菌がつくるたんぱく質から精製された薬であり、ボツリヌス菌そのものを注射するわけではありませんので、感染の心配はありません。
●世界中で広く普及しており、90ヵ国以上で認可されています。
●日本では腋窩多汗症のほか、さまざまな疾患に対して医療保険の適用が認められています。
★当院ではグラクソ・スミスクライン社の正規品ボトックスを使用しております。
G. ボツリヌス療法の効果と副作用
<効果>
効果は通常、治療後2~3日であらわれ、4~9ヵ月にわたって持続します。効果がなくなれば元の状態に戻るので、また同じように治療を行います。効果の程度や持続期間には個人差があります。完治をめざす治療法ではありません。
<副作用>
注射後、まれに次のような副作用が生じることがあります。多くは一時的なものですから、程度が強い場合など、気になるときは医師の相談してください。
H. ボツリヌス療法を受けるにあたって
<対象となる多汗症>
ボツリヌス療法を受けられるのは、「重度の原発性腋窩多汗症」です。症状によっては、ボツリヌス療法を受けられない場合があります。
<ワキのにおいについて>
多汗症は、主にエクリン汗腺という汗腺からの汗(水分)の量が増える状態のことをいいますが、ワキガ(腋臭症)は主にアポクリン汗腺という汗腺からにおいの原因となる成分が分泌される状態のことをいいます。ボツリヌス療法は汗の量は抑えても、においの原因の成分の分泌を抑える直接的な効果は期待できません。
I. このような方は、ボツリヌス療法を受けられません
●全身性の筋力低下を起こす病気(重症筋無力症、ランバート・イートン症候群、筋萎縮性側索硬化症など)がある方
●妊娠中あるいは授乳中の方、妊娠している可能性のある方
●この治療により、発疹などのアレルギーを生じることがわかっている方
J. このような方は、ボツリヌス療法を受ける前に申し出てください
●ボツリヌス療法を受けた経験がある方-そのとき治療した病気の名前、治療時期、使用した薬の量をお伝えください。
●現在、何らかの薬を使用している方(市販薬を含む)-一部の抗生物質や筋弛緩薬、精神安定剤などボツリヌス療法と同時に使用する場合は注意を要する薬があります。
●慢性的な呼吸器の病気(喘息など)がある方
K. 治療後は次のことに注意する必要があります
●治療当日のみ、激しい運動は控えてください。翌日以降は、日常生活の制限はありません。
●注射した部位は、揉まないでください。
●女性は治療後2回の月経が終わるまで、男性は治療後3ヵ月が経過するまで、避妊に必要な措置をとってください。
●ほかの医療機関や診療科でボツリヌス療法を受ける際には、腋窩多汗症に対しボツリヌス療法を受けたことを医師にお伝えください。
●ボツリヌス療法をくりかえし行った場合、体の免疫機能が働き、それまで得られていた治療効果を得られなくなることがあります。複数回の治療を受けたのち、明らかに以前より効果が弱まっていると感じたら、その旨を医師に申し出てください。
L. 診療の流れ
M. 費用